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世代の系譜

5つの世代は設計思想の系統であって、性能の順位ではない。

一言でいうと

自動運転の技術を、生まれた順の系譜として5つの世代に分けて説明する。

新しいほど優れているという並びではない。G0の車はいまも日本の公道で人を運んでおり、G3の公道での商用運行実績は2026年7月時点で限定的である。

なぜ世代で整理するのか

自動運転の技術は、ひとつの正解に向かって進んできたわけではない。「何を確実にして、何を諦めるか」という設計上の選択が、時代ごとに違った。その選択の系統を追うのが、この区分である。

ただし現実の製品は、複数の世代の要素を混ぜている。「この会社はG3である」という単純な分類はできない。認識はG2、計画はG3、という見方をする必要がある。だからこのサイトは、世代とレイヤーの2軸で整理している。

G0からG4までの5つの世代を上から順に並べ、右側に「縦の並びは時間の順であって優劣の順ではない」という注意書きを添えた構造図G0経路教示・仮想レール1本の線を正確に辿るG1モジュール型+HD地図分けて検証するG2学習ベースのモジュール型各段に学習を入れるG3End-to-End/マップレス分けるのをやめるG4世界モデル主導検証を計算機の中へ縦の並びは時間の順であって、優劣の順ではないG0の車は、いまも日本の公道と構内で人を運んでいる。G3の公道での商用運行実績は、2026年7月時点で限定的である。現実の製品は複数世代の要素を混ぜている。「この会社はG3だ」という分類はできない。認識はG2、計画はG3、というようにレイヤーごとに見る。だからこのサイトは、世代とレイヤーの2軸で整理している。
図:世代の系譜。上から下へ新しくなるが、これは設計思想の分岐であって性能の順位ではない。古い世代が現役で走っている一方、新しい世代の商用実績は限られている。

5つの世代

  1. G0 経路教示・仮想レール型
    教えた1本の経路を精密に辿る。逸脱しないことが安全の根拠になる。

  2. G1 モジュール型パイプライン+HD地図
    仕事を段に分けて各段を検証する。高精度地図で周囲を先に与える。

  3. G2 学習ベースのモジュール型
    段の分割は保ったまま、各段に深層学習を入れる。俯瞰表現と占有表現。

  4. G3 End-to-End/マップレス
    段の分割をやめ、1つの学習系で扱う。高精度地図に依存しない。

  5. G4 世界モデル・シミュレーション主導
    学習と検証の主戦場を計算機の中に移す。

5つを横並びで比べた表は世代の比較にある。

この区分を使うときの注意

世代は設計思想の系統である。製品の分類ではない。ベンダーに「御社はどの世代ですか」と聞いても、答えは意味を持たない。

聞くべきなのはレイヤーごとの実装である。「認識はどういう表現を使っていますか」「計画は人が書いたルールですか、学習したモデルですか」という問いになる。

出典

一次情報を優先している。「区分」は、その資料が発行機関自身の公表物(一次)か、第三者による索引・複製(ミラー)か、解説(二次)かを示す。リンク切れに備え、発行者・文書名・日付を本文でも残している。

  1. 愛知製鋼株式会社GMPS(Global Magnetic Positioning System)。磁気マーカとMIセンサによる自車位置検知。位置検出精度±5mm、時速200kmまで追従、設置間隔2m〜10mの実績参照日 2026年7月30日/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://www.aichi-steel.co.jp/smart/mi/gmps/
  2. RoAD to the L4(経済産業省・国土交通省)【福井県永平寺町】遠隔監視のみ(レベル4)自動運転サービス(車両ヤマハAR-07・定員7名・最高12km/h以下、電磁誘導線とRFID、遠隔監視1名が最大3台、運行47日・延べ1,700km・乗客1,168名)2024年2月28日/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://www.road-to-the-l4.go.jp/activity/theme01/pdf/20240228_theme01.pdf
  3. Urmson, C. ほか/Journal of Field Robotics 25(8):425–466(査読誌)Autonomous driving in urban environments: Boss and the Urban Challenge(mission / behavioral / motion の三層プランニング)2008年/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://publications.ri.cmu.edu/autonomous-driving-in-urban-environments-boss-and-the-urban-challenge
  4. Philion, J. & Fidler, S./ECCV 2020(査読会議)Lift, Splat, Shoot: Encoding Images from Arbitrary Camera Rigs by Implicitly Unprojecting to 3D(深度を離散確率分布として持ち、BEVへ写像する)2020年/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-030-58568-6_12
  5. Hu, Y. ほか/CVPR 2023 Best Paper(査読会議)Planning-oriented Autonomous Driving(UniAD)。全構成要素を最終目的である計画に向けて最適化する。検出・追跡・地図・予測・占有予測を一つのネットワーク内に明示的に残す2023年/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://openaccess.thecvf.com/content/CVPR2023/papers/Hu_Planning-Oriented_Autonomous_Driving_CVPR_2023_paper.pdf
  6. Wayve(企業公式)GAIA-3: Scaling World Models to Power Safety and Evaluation(150億パラメータの潜在拡散ベース世界モデル。方策の相対的な性能を予測できることが示唆されると記載)2025年12月2日/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://wayve.ai/thinking/gaia-3/
  7. Chen, L. ほか/IEEE TPAMI(査読誌)End-to-end Autonomous Driving: Challenges and Frontiers(未解決課題としてマルチモダリティ・解釈性・causal confusion・堅牢性・世界モデルを列挙)2024年/区分:一次/参照日 2026年7月30日https://arxiv.org/abs/2306.16927

最終更新日:2026年7月30日。このページの記述は同日時点で確認したものである。

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