一言でいうと
このサイトで使っている専門用語を、1文の定義で並べたものである。初版として36語を収めている。
この用語集は補助である。用語はそれを使うページの中で必ず1文で定義しており、この一覧だけで済ませる作りにはしていない。
使い方
提案書を読みながら語を引く用途を想定している。右端の列は、その語が実際に使われているページである。定義だけで足りない場合は、そのページで文脈ごと読める。
まだ36語しかない。技術レイヤーのページを公開するにつれて増やしていく。収録されていない語があることは、このサイトの未完成な部分がそこにあることを意味する。何が足りていないかはサイト全体地図で示している。
用語一覧(五十音・アルファベット混在。関連する語をまとめて並べている)
| 語 | 定義 | 使われているページ |
|---|---|---|
| ODD 運行設計領域/Operational Design Domain | 自動運転システムが設計上その機能を発揮できる条件の範囲を、道路の種類・速度・天候・時間帯などの項目で書き表した文書のことである。 | 質問リスト |
| EOC 外部運用条件/External Operating Conditions | ODDを成立させるために、車両の外側で満たされている必要がある条件のことである(路面の整備状態、信号の動作、区画線の見え方など)。 | 質問リスト |
| 介入 disengagement | 自動運転モードが解除されて人の操作に戻ること。カリフォルニア州の規則では、技術的な故障が検知された場合または安全上必要な場合に限って報告対象とされていた。 | 数字の読み方 |
| 安全論証 Safety case | 「このシステムは安全である」という主張を、根拠と証拠の連なりとして第三者が辿れる形に文書化したもののことである。 | 質問リスト |
| SMS 安全管理システム/Safety Management System | 組織として安全を管理する仕組みそのもの(責任者、手順、記録、改善のサイクル)を指し、製品単体ではなく運営体制を対象とする。 | 翻訳辞典 |
| ISMR 市場導入後監視/In-Service Monitoring and Reporting | 車を市場に出したあとも、実際の運行から得られる情報を継続して監視し、当局に報告する仕組みのことである。 | 翻訳辞典 |
| DSSAD 自動運転データ記録装置/Data Storage System for Automated Driving | 自動運転システムの作動状態や運転の主体が切り替わった時点などを記録する装置のことである。 | 翻訳辞典 |
| MRC 最小リスク状態/Minimal Risk Condition | 自動運転を継続できなくなったときに、車が到達すべき比較的安全な状態(多くの場合は安全な場所での停止)のことである。 | 質問リスト |
| 機能安全 ISO 26262 | 装置が故障したときに危険な状態にならないことを、設計・検証で担保する考え方。その国際規格がISO 26262である(現行はISO 26262:2018、第3版が改訂作業中)。 | 質問リスト |
| SOTIF 意図した機能の安全性/ISO 21448 | 装置が故障していないのに危険が生じる場合(認識の限界や想定外の状況)を扱う考え方であり、その国際規格がISO 21448:2022である。 | 質問リスト |
| HD地図 高精度地図 | 車線の位置や標識の場所を数cm単位の精度で記録した地図であり、車が周囲の構造をあらかじめ知った状態で走るために使われる。 | 翻訳辞典 |
| マップレス mapless | 高精度地図を用意せずに走行する設計方針のこと。「地図が不要」と説明される場合に何が不要なのかは方式によって異なる(高精度地図のみか、ナビ地図も含むか、経路教示も不要か)。 | 翻訳辞典 |
| 経路教示 taught path | あらかじめ人が車を運転して走行経路を記録し、以後はその経路をなぞって走らせる方式のことである。 | 翻訳辞典 |
| End-to-End E2E | センサの入力から運転操作の出力までを、途中で段階に分けずに1つの学習系で扱う方式のことである。 | 翻訳辞典 |
| BEV表現 Bird's Eye View | 複数のカメラが別々に捉えた映像を、上から見下ろした1枚の図に変換してから扱う手法のことである。 | 翻訳辞典 |
| Occupancy表現 占有表現 | 空間を細かい立体の格子に区切り、それぞれが何かで埋まっているか空いているかで周囲を表す手法のことである。 | 翻訳辞典 |
| VLA Vision-Language-Action | 映像と言語と行動を一つのモデルで扱い、運転の判断に言語による表現を介在させる方式のことである。 | 翻訳辞典 |
| OTA 無線によるソフトウェア更新/Over The Air | 通信回線を通じて車両のソフトウェアを更新することであり、その工程の管理を扱う国際規格がISO 24089:2023である。 | 翻訳辞典 |
| V2X 車と外部の通信/Vehicle-to-Everything | 車が信号機・路側の機器・他の車と通信して情報を得る仕組みの総称である。 | 翻訳辞典 |
| 冗長化 redundancy | 同じ機能を果たす系統を二重以上に持たせ、片方が失われても機能を保つ設計のことであり、操舵・制動・電源・計算機・通信のどこを二重にしたかで意味が変わる。 | 翻訳辞典 |
| 遠隔監視 remote supervision | 離れた場所にいる監視者が複数の車両の状況を見守る運行形態のことであり、監視者が可能な操作の範囲と1人あたりの担当台数によって性質が大きく変わる。 | 翻訳辞典 |
| 特定自動運行 — | 日本の道路交通法(令和4年法律第32号による改正)が定める許可制度の対象となる運行形態であり、許可を出すのは都道府県公安委員会である。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 自動運行装置 — | 日本の道路運送車両法における装置の区分であり、この装置としての認可と、道路交通法上の運行の許可は別の手続である。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 1958年協定 — | 自動車の基準を国際的に調和させる国連の協定のうち、型式認証の相互承認を伴うものであり、これに基づく規則を協定規則と呼ぶ(日本・EU・韓国等が締約国)。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 1998年協定 — | 自動車の基準を国際的に調和させる国連の協定のうち、相互承認を伴わないもの。これに基づく規則をグローバル技術規則(GTR)と呼ぶ。各締約国が国内法制化を個別に判断する(米国・中国・カナダ等が締約国)。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 協定規則第157号 UN R157/ALKS | 自動車線維持システムに関する国連の協定規則であり、2021年1月22日に発効している。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 協定規則第185号 UN R185 | 自動運転システムに関する国連の協定規則。2026年6月のWP.29第199回会合で採択された。ただし2026年7月30日時点で、寄託者通告と発効日を一次資料で確認できていない。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 寄託者通告 Depositary Notification | 条約の寄託者である国連事務総長が締約国に対して行う通告であり、1958年協定に基づく規則の発効はこの通告を起点として確認される。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| WP.29 国連自動車基準調和世界フォーラム | 自動車の基準を国際的に調和させるための国連の会議体であり、協定規則やグローバル技術規則を採択する。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| FMVSS 米国連邦自動車安全基準 | 米国の自動車の安全基準であり、米国は型式認証ではなくメーカーによる自己認証の制度を採っている。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| Standing General Order SGO | 米国運輸省道路交通安全局が発する命令。自動運転システムおよびレベル2運転支援システムを搭載した車両の衝突報告を義務づけている。規則ではなく命令である点に注意。 | 数字の読み方 |
| 小規模生産枠 small series | EUの型式認証制度において、少量生産の車両に一部要件の緩和を認める枠組み。完全自動運転車については、EU全域で年1,500台という上限が設けられている。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| 准入 — | 中国における製品の市場参入の認可を指す語であり、自動運転については工業和信息化部が試点(試行)の枠組みの中で許可を行っている。 | 世界の基準と、日本で確認できること |
| シナリオベース検証 scenario-based validation | 起こりうる状況を場面として列挙し、その一つずつについて試験する検証の考え方である。 | 数字の読み方 |
| 稼働率 — | 運行できた時間または回数が、計画に対してどれだけの割合だったかを示す数値であり、分母に何を含めるかによって同じ実態から異なる数値が作られる。 | 数字の読み方 |
| 初動対応者 first responder | 事故や異常の現場に最初に到着する消防・警察・救急の担当者のこと。自動運転車の扱い方(高電圧系の切り離し、扉の開放、牽引の可否)を事前に共有する必要がある。 | 質問リスト |
出典
一次情報を優先している。「区分」は、その資料が発行機関自身の公表物(一次)か、第三者による索引・複製(ミラー)か、解説(二次)かを示す。リンク切れに備え、発行者・文書名・日付を本文でも残している。
- 国際標準化機構(ISO)ISO 26262-1:2018 Road vehicles — Functional safety(第2版。第3版が改訂作業中)https://www.iso.org/standard/68383.html
- 国際標準化機構(ISO)ISO 21448:2022 Road vehicles — Safety of the intended functionality(SOTIF)https://www.iso.org/standard/77490.html
- 国際標準化機構(ISO)ISO 24089:2023 + Amd 1:2024 Road vehicles — Software update engineeringhttps://www.iso.org/standard/77796.html
- 警察庁特定自動運行の許可制度(改正道路交通法・令和4年法律第32号。許可権者は都道府県公安委員会)https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/selfdriving/index.html
- 経済産業省レベル4自動運転移動サービスの実現(道路運送車両法に基づく国内初のレベル4自動運行装置の認可=2023年3月30日、国内初の特定自動運行許可=2023年5月11日 福井県公安委員会)https://www.meti.go.jp/press/2023/05/20230512002/20230512002.html
- United Nations NewsNew global rules clear the road for driverless vehicles(WP.29 第199回会合での採択。支持した主要市場と主な要求を記載)https://news.un.org/en/story/2026/06/1167797
- GlobalAutoRegs(UNECE文書の索引サービス)ECE/TRANS/WP.29/2026/137「Automated Driving Systems: Proposal for a new UN Regulation」(協定規則第185号の提案文書。対象 M1–M3・N1–N3・L6・L7)https://globalautoregs.com/documents/42313
- EUR-Lex(欧州連合官報 L 82/75、文書42021X0389)UN Regulation No. 157(ALKS)。法的正文は ECE/TRANS/WP.29/2020/81https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX%3A42021X0389
- Kraftfahrt-Bundesamt(ドイツ連邦自動車庁)EU type approvals for a fully automated driving function in small series(年1,500台の小規模生産枠)https://www.kba.de/EN/Themen_en/Typgenehmigung_en/Autonomes_automatisiertes_Fahren_en/EU_Typgenehmigung_en/eu_typgenehmigung_node_en.html
- 中華人民共和国工業和信息化部《关于开展智能网联汽车准入和上路通行试点工作的通知》(工信部联通装〔2023〕217号。工業和信息化部・公安部・住房和城郷建設部・交通運輸部)https://www.miit.gov.cn/zwgk/zcwj/wjfb/tz/art/2023/art_b2ce7f0bb04d47e8b0e2ba2bb9d5b8e5.html
- 米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)Standing General Order on Crash Reporting(第3次修正)https://www.nhtsa.gov/laws-regulations/standing-general-order-crash-reporting
- California(州規則)California Code of Regulations, Title 13, §227.50「Reporting Disengagement of Autonomous Mode」(2026年4月28日効力発生の改正により削除)https://www.law.cornell.edu/regulations/california/13-CCR-227-50
最終更新日:2026年7月30日。このページの記述は同日時点で確認したものである。
